「雨の日は頭が痛い」といったことはよく聞く話ですが、天気や気圧の変化が体調に与える影響は大きく、時にさまざまな症状となって現れます。
不調に陥ってからではなく、天候の変化をあらかじめ把握して対処することが、体調管理のカギといえるでしょう。
そこで今回は、天気や気圧の変化によって引き起こされる、体調不良の原因とその症状について解説します。
気圧の変化の影響を受けやすい人の特徴についても紹介します。
天候の変化がなぜ体調に影響を与えるのでしょうか。
それは、天気や気圧の変化によって、私たち人間の体は無意識のうちにストレスを感じるためです。
このストレス反応に抵抗しようとすると、自律神経のうち交感神経が優位になります。
すると、心身が緊張状態になるため代謝が滞り、さまざまな不調が起こりやすくなるのです。
こういった天気や気圧の変化によるさまざまな症状は、「天気痛」とも呼ばれ、特に女性に多く見られるといわれています。
頭痛やめまい、耳鳴りなど、その症状はさまざまです。
片頭痛やリウマチといった、その人が元々持っていた慢性的な症状が現れることもあります。
ただ、天気痛の重さにも個人差があり、日常生活が困難になってしまうほどの症状が現れる方もいれば、「少しだるいかも」程度であまり自覚症状がない場合もあります。
また、天気や気圧の変化は、その差が大きいほど自律神経への影響も大きく、症状も重くなりやすいといいます。体調不良を起こしやすいのは、おもに気圧が低下するときといわれていますが、反対に気圧が上昇することで具合が悪くなる人もいるようです。
天気痛の具体的な症状
天気や気圧の変化によって引き起こされる天気痛の症状には、頭痛やリウマチなどの痛みだけでなく、更年期に由来するものや気分の落ち込みなども含まれています。
ここからは、天気痛の代表的な症状について見ていきましょう。
最も多い天気痛の症状が頭痛。
脈を打つようなとした痛みが特徴的です。これは、交感神経が優位にきたことで脳の血管が拡張し、痛み物質が放出されるとさ
らに血管が広がるという、悪循環によって引き起こされます。
その他に頚に重要な交感神経が走っており、気圧の変化を感知する内耳ともつながっています。気圧の変化によって内耳や交感神経が刺激を受けると、頚肩に痛みを感じやすくなるのです。
頚は5kgほどの重さの頭を支えている、体の中でも負担の大きい部位です。
そのため、頚の土台となる肩と背中の筋肉をしっかりと鍛えておくことで、頚肩の痛みは改善されやすいともいわれています。
めまいにもいくつか種類があります。
天気痛の場合、気圧が内耳を刺激することでめまいが生じることがあります。
耳鳴りや、「雨が降る前に耳の奥がツーンとする」「聞こえが悪い」といった耳の症状も、天気痛の代表的なもの。天気痛の場合、耳の症状と合わせて、吐き気や眠気などを感じるケースもあります。
気圧の変化を受けたことで、天気痛の症状を引き起こしやすい人の特徴を見ると。
特に気圧の変化を受けやすいの特徴は「耳が敏感な人」「乗り物酔いしやすい人」といわれています。
ここでいう「耳」とは、鼓膜の奥にある器官、内耳のことをいいます。
内耳で気圧の変化を感じ取ると、脳にその情報が伝わり、自律神経系が刺激されます。
内耳が気圧変化に敏感であるほど、わずかな気圧の変化でも脳に情報が伝わりやすくなるため、自律神経のバランスが乱れてしまうのです。
気圧の変化による体調不良に悩む人の多く
が、乗り物酔いしやすい傾向があるといわれています。
これは、乗り物酔いをしやすい人は、先程もご紹介した内耳が、乗り物による揺れに対して敏感であるためです。
乗り物酔いと同様に、気圧の変化による大気の乱れを揺れと内耳が感じ取り、自律神経に作用するため、これまで感じていた原因不明の痛みや体調不良が、実は天気や気圧の変化によるものだったという可能性もあります。
女性は、特に天気痛を感じやすい人が多いともいわれているため、不調を感じたときには、天候の変化に
よる影響についてもチェックしてみると良いかもしれません。